
フロントガラス雑学
自動車ガラスの内側汚れ
ふと運転中に気になるフロントガラスの汚れ。ウォッシャー液とワイパー操作を繰り返すも、なかなか取れないことってありますよね。そうです、汚れているのはガラスの外側ではなく、内側!
このようなフロントガラスの内側の汚れはなかなか厄介なものです。ガラスの曇りであれば外気取込みやエアコン操作である程度解消できますが、フロントガラス自体に付着した汚れや指紋をきれいに落とすのはなかなか手間がかかるもの。
この記事では、フロントガラスの内側の汚れでお悩みの方向けに、メンテナンス方法をご紹介します。内側汚れの原因と種類、そして具体的なお手入れ方法について解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
フロントガラス内側汚れの種類と原因
普段ガラスの汚れをあまり意識しない方には馴染みがないと思いますが、汚れには種類があります。
汚れの種類
フロントガラス内側の汚れの種類は大きく分けて、水性の汚れと油性の汚れの2種類があります。
ガラスをクリーニングしていく上では、必ず 1.水性の汚れ→2.油性の汚れの順で落としていく必要があります。
汚れの原因
フロントガラスの車外面(ガラス外側)とは異なり、内側の汚れは明らかに車内側からの付着物によるものです。
付着して汚れの原因となりやすいものとしては以下のようなものがあります。
・手垢、指紋
・車内のホコリ(シートや衣類から飛散)
・飲料の付着
・芳香剤の付着
・食べ物などの油分
かんたんに取れるものから、しつこい油汚れまで、汚れの原因はさまざまです。さらに、これら複数の原因(付着物)が重なることで、一層ガンコな汚れになることもありますので注意が必要です。
さて、ここまでフロントガラス内側の汚れの種類と原因を見てきました。こうして並べてみると、どれもイメージしやすい汚れだと思います。
そもそもなぜ、このような分かりやすい汚れに対して多くの方が悩んでいるのでしょうか?具体的な手入れ方法をご紹介する前に、少し考えてみましょう。
内側汚れはメンテナンスしずらい!
フロントガラス内側の汚れは以下の点からメンテナンスがしずらく、多くの方を悩ませる症状となっているようです。
逆反り曲面が拭きにくい!
内側の汚れは当然ながら車内から拭き上げる必要がありますが、「とにかく拭きづらい!」という声が多いようです。ガラスの車内面は、逆反り(手前に沿っている)に曲がっているため、拭き上げる際に力を入れづらいです。さらに、車内という限られたスペースでの作業のため拭き上げる動作にも制約が生じやすいことも、拭きにくい一因ですね。
内装部品がジャマ!
同じく車内特有の問題として、ダッシュボードとガラスの間など、細かい隙間まで手が入らないケースも多々あります。内装部品が被っていてガラスの隅っこまではとても拭き上げることができないのが現実です。
このように「拭きたくても拭けない」という状況が、フロントガラス内側のメンテナンスに対する苦手意識を生んでいるかもしれませんね。
車内への液垂れが気になる!
後ほど紹介するメンテナンス方法で、エタノールやクリーナーを紹介しますが、車内面だからこそ、液垂れをとても気にされる方が多いようです。当然のお悩みですね。液垂れを防ぎながら、ガラスをきれいにする作業は非常に気をつかいますし、手間がかかります。
こうしてみてみると、フロントガラスの車外側を清掃することに比べて、車内面の清掃はやはりなかなか気苦労と手間が必要になります。ぜひかんたんで効果的な手入れ方法をマスターしたいところです。
それでは、いよいよ具体的なお手入れ方法をご紹介していきます。
用意するもの
まずは用意するものです。用意するものは「ガラスを拭く布」と「液剤」です。どちらもいくつか種類がありますので、まずは用意しやすいものから試してみることをおすすめします。
ガラスを拭く布
ガラスを拭く布については好みが分かれるところですが、代表的なものをご紹介します。
マイクロファイバー
メガネやパソコン画面などを拭く際にしようするやわらかい布です。定義としては「極細のナイロンやポリエステルなどの繊維で、木綿と同等の吸水性や通気性・保温性を持たせた素材」となっていますが、おそらく馴染みのある方も多いはず。ガラス面にキズが付きにくいため、最もおすすめなのがこのマイクロファイバーです。
目が細かく柔らかいタオル
マイクロファイバーが用意できないという方は、目が細かく柔らかいタオルでもOKです。ポイントとしては、ガラス面をキズ付けにくい素材かどうかという観点で選んでください。マイクロファイバーと比べたメリットは、タオル地のほうが手で持った際に厚みがあり、ガラス面を拭き上げる際に力が入りやすいという点があります。
蒸しタオル
水性汚れを落とす際に有効なのが、蒸しタオルです。当然目が細かく柔らかい、という条件を満たしつつ、蒸しタオルの状態にして拭くのがポイントです。
マイクロファイバーやタオルは、水拭き、乾拭きなどで複数枚使用します。少なくとも3枚、できれば5枚ほど用意してください。
液剤

ガラスを拭く際に使用する液剤にもいくつか種類があります。以下にご紹介しますので、手に入りやすいものから試していき、使いやすいものを見つけてください。
無水エタノール
油性汚れに対して効果を発揮するのがこの無水エタノールです。指紋汚れやホコリなどに付着した油分をきれいに落としてくれます。
ガラスクリーナー
車専用に限らず、ガラスクリーナー全般はフロントガラス内側の清掃にも効果的です。無水エタノール同様、油性汚れに効果を発揮します。
ウォッシャー液
意外に思われるかもしれませんが、ウォッシャー液ももちろん有効です。普段は車外面を清掃するための液剤ですが、同じガラス汚れですので、当然車内面の汚れにも有効です。ただし、ワイパーゴムの滑りなどを考慮した成分になっていることが多いため、必ずしも布地を使った手作業での拭き上げには最適化されていない点は頭に入れておきましょう。
ここまでフロントガラス内側を清掃するために用意するものを見てきました。「で、結局どれが一番いいの?」と思われるかもしれませんが、手に入りやすさや使いやすさは個人差がありますので、それぞれに優劣をつけず、まずは手に入りやすいものから試してみることをおすすめします。
続いて、具体的な清掃方法です。
フロントガラス内側のお手入れ方法
この記事の前半でご紹介しましたが、手入れの手順は、 1.水性の汚れ→2.油性の汚れの順で落としていく ことを忘れずに。
手順1.水拭き&乾拭き
まずは水性の汚れを落としていきます。マイクロファイバーやタオルをぬるま湯に浸し、固く絞ります。ポイントは、水ではなく「ぬるま湯」。水拭きというよりはお湯拭きが正しいです。先ほどご紹介した蒸しタオルも近い状態です。
温かいタオルでしっかりとガラス全面を隅々まで拭き上げます。続いて、お湯で濡れたガラス面が乾燥しないうちに、乾燥したタオルやマイクロファイバーへ取替、すばやく乾拭きしていきます。ガラス面が乾燥してしまうと、水分の斑点がガラス面に残ってしまい、清掃前よりもひどい状態になってしまいますので、十分注意してください。
水性の汚れのみであれば、この水拭き(お湯拭き)&乾拭きだけで、ほとんど汚れは落ちてしまいます。
この段階でまだ汚れが残っている場合、大抵の場合は油性の汚れです。
そんな場合は続く手順2.で油性の汚れを落としていきましょう。
手順2.液剤でガラス面を拭き上げる
手順1.で落とせなかったしつこい油性の汚れには液剤が必要です。無水エタノールやガラスクリーナーを使っていきます。
ポイントは、「液剤はガラス面ではなく布地につけること」です。車内のガラス面に液剤を吹きかけてしまうと、液垂れしてしまい、最悪の場合は内装材の変色などの原因になります。たとえ面倒でも、少しずつ布地に液剤を付けながら拭き上げていきましょう。
また、念の為の液垂れに備え、ダッシュボードに大きなバスタオルなどを敷いておくと良いでしょう。
手が入らない部分は柄付きクロスで!
フロントガラスの一番下の部分などはスペースがなく手が入らないことも多いと思います。その様な場合は、30〜50cm程度の棒を用意し、クロスを先端に巻きつけて、即席の柄付きクロスを作って拭き上げると良いでしょう。こうすることで、細かい隙間までしっかり拭くことが出来ます。
以上のように、1.水性の汚れ→2.油性の汚れの順で落としていく ことで、大抵のフロントガラス内側汚れはすっきりきれいに落とすことが出来ます。ぜひ試してみて下さい。
最後に。手入れの後に気をつけること
フロントガラスの内側の手入れ方法についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
最後に、手入れ後の注意点をお伝えしておきます。ずばり「ぜったいにフロントガラスの車内面は手で触らないこと」。指紋による汚れは油分を含んでいます。ガラス面に触れた時点では、さほど気になる汚れにはなりませんが、時間が経つにつれて、指紋の油分にホコリなどの汚れが付着、変色し、目立つ汚れに変わってきてしまいます。
なにより、油性の汚れは液剤などが必要となるため、かんたんな乾拭き程度では落ちず、大掛かりな清掃を必要としてしまいます。ガラス面に手で触れない(油性汚れを防ぐ)ことで、日々のかんたんな乾拭き程度のメンテナンスで十分な状態を維持することが可能です。
せっかくきれいに拭き上げたフロントガラスは、できるかぎり長く保ちたいものですよね。ぜひ気をつけてみてください。