
フロントガラス雑学
自動車ガラスメーカーを知ろう!
普段のドライブで当たり前のように目にしている自動車ガラス。
この自動車ガラスのメーカーをご存知でしょうか?
トヨタやホンダ、フォルクスワーゲン、ポルシェなどの国内外の自動車メーカーの名前はよく知られていますが、自動車ガラスメーカーについてはご存じない方も多いかと思います。
今回は自動車ガラスにまつわる豆知識として、自動車ガラスメーカーについてご紹介してみます。
世界ナンバー1は日本企業
具体的な企業名のご紹介の前に、フロントガラスをはじめ、自動車ガラス全般において世界ナンバー1のトップメーカーは日本企業だということをご存知ですか?
他にも複数の日本企業が自動車ガラスの市場で大きなシェアを持っています。
それでは具体的な企業について見ていきましょう。
AGC
自動車ガラスで世界ナンバー1のシェアを誇るのが、AGC株式会社(旧:旭硝子株式会社)です。なんと、世界中の自動車のうち3台に1台はAGC製のガラスという換算になるそうです。世界の30%以上のシェアを持ち、トヨタやホンダなどの日本企業はもちろん、世界中の自動車メーカーに対してガラスを供給しており、名実ともにグローバルトップメーカーと言えるでしょう。
AGCは、フラットガラス、自動車ガラス、ディスプレイガラス、電子材料、化学品など、様々な製品を提供している企業です
自動車の快適性と安全性を向上させるために、様々な革新的な自動車ガラスを開発しているようです。
例えば、「クールベール」というフロントガラスは太陽からの赤外線をカットし、車内の温度上昇を抑制します。これにより、エアコンの使用を減らし、燃料消費を抑制することができます。もちろん紫外線をカットするので日焼けやシミ対策にもなりますね!
日本板硝子
続いてご紹介するのも日本企業です。日本板硝子も、AGCと同じく世界でトップクラスのシェアを持つ日本のガラスメーカーです。もともと日本板硝子より規模の大きなガラスメーカーであった英国ピルキントンを2006年に買収し、ヨーロッパ市場を中心に一層存在感を増したガラスメーカーです。ピルキントンの顧客であったヨーロッパ系の自動車メーカーに対して強いパイプと販売力を持っているメーカーです。自動車ガラスのほかに建築用ガラスやディスプレイガラスなども製造しています。
日本板硝子は特殊な加工技術や革新的な製品開発により、自動車産業におけるガラス技術の進歩に貢献しています。また、安全性への取り組みや環境への配慮を意識したガラスの開発にも取り組んでいるようです。
セントラル硝子
こちらも日本のガラスメーカー。AGCや日本板硝子と同様、自動車のみならず建築用ガラスや電車の窓などのガラス(産業用ガラス)も供給する大手ガラスメーカーです。2014年には米国ガーディアンを買収するなど、自動車ガラス市場での今後の成長戦略にも注目です。
セントラル硝子は、自動車ガラスの製造において、日本だけでなく、海外にも生産拠点を設け、多様な市場に対応しています。
福耀 / FUYAO
中国最大のガラスメーカーである福耀(フーヤオ)も、世界の自動車ガラス市場で存在感を増している企業の一つです。世界の自動車ガラスメーカーのなかでは後発企業にあたりますが、巨大な中国市場を背景に猛烈なスピードで成長しています。
日本車向けには、主にアフターマーケット用のガラス供給を行っていましたが、近年では新車向けのガラス供給も開始しています。
SAINT-GOBAIN / サンゴバン
サンゴバンはフランスの大手ガラスメーカーです。
建材業界の世界的な企業で、高性能材料、建築製品、建築および自動車ガラスなどの分野で幅広く製品を提供しています。
もともとガラス自体がヨーロッパの発祥であり、このサンゴバンも17世紀に創業された老舗ガラスメーカーです。欧州を中心に世界中の自動車メーカーに自動車ガラスを供給していますが、日系の自動車メーカーに対しては、セントラル硝子と組んで市場開拓を進めた経緯があります。
ここまでご紹介してきた5社が、世界の主要な自動車ガラスメーカーです。自動車メーカーのみでなく、ガラスメーカーにおいても日本企業の存在感の高さを感じていただけたのではないでしょうか?
自動車ガラスのロゴをチェック
これら主要5社について、ご存じない企業名もあったかもしれません。
それほど馴染みの薄いガラスメーカーですが、実は自動車ガラスをよく見てみると、ガラスメーカーのロゴも印字されています。日本車であれば、AGCやNSG(日本板硝子)が多く、ベンツなどの欧州車ではサンゴバンのロゴを多く見かけるかと思います。
ご自分の車や街角の自動車ガラスをチェックしてみるのも面白いかもしれません。
まとめ
自動車ガラスメーカーについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
ひょっとすると、日本企業がグローバルトップメーカーであることを意外に思われた方もいらっしゃるかもしれません。AGCをはじめ、数々の日本企業が世界中を走る自動車にガラスを供給していることを思うと、日本人として少し誇らしくなりますよね。
普段何気なく見ているフロントガラスも、こうした日本企業の技術力が生み出していることを知っていただければ幸いです。